性感染症(尿道炎)、亀頭包皮炎

尿道炎は、男性の性感染症の中で最も頻度が高く、性行為の多様性に伴い、咽頭や直腸など性器外からの感染例も増えています。性感染症による尿道炎は、大きく淋菌と非淋菌性に分けられ、非淋菌性はさらにクラミジア性と非クラミジア性に分けられます。淋菌性とクラミジア性を合わせると尿道炎の約7割を占めており、非クラミジア性ではマイコプラズマなどが原因となります。尿道炎の主な症状は、尿道痛と尿道分泌物です。淋菌性では、潜伏期間が3-7日と短く、急激で強い尿道痛と白い膿が出ます。一方クラミジア性では、潜伏期間が1-3週間と長く、軽い尿道痛と水っぽいあるいは少し糸を引く分泌物が出ます。当院では一般的な尿検査を実施したのちに、尿の核酸増殖法による検査を実施し、適切な抗菌薬治療を行います。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎、男性の性器の陰茎亀頭(ペニス)または陰茎にかぶさっている包皮に、何らかの原因により炎症が生じることで、包皮から膿うみが出てきたり、痛みを感じるなどの症状を伴うこともある病気です。一般的に細菌や真菌(カビ)が原因となることが多いです。まれに、ウイルスの感染やその他のことが原因となることもあります。主な原因は、会陰部を清潔に保つことができない状況が続くときに、淋菌やクラミジアなどの細菌や、カンジダなどの真菌(カビ)、またはヘルペスのようなウイルスに感染することであるとされています。感染しやすくなる原因として、免疫系の機能が低下しやすくなる糖尿病や、偏った食生活(栄養不足やアルコール中毒など)などがあります。感染以外では、アレルギーを引き起こす何らかの物質が接触し続けることによって炎症が起こったり、自らの正常な皮膚の組織に対して過剰に反応する自己免疫疾患が原因となって炎症が生じたりすることがあります。
亀頭包皮炎の症状は、亀頭や包皮が赤くなる(発赤や腫脹)、包皮から膿うみが出てくる、痛くなる、といったものがあります。
亀頭包皮炎が疑われる場合は診察と問診に加え、一般的な尿検査を実施し、必要があれば原因となっている菌を特定するための尿検査も行います。