尿道炎は、男性の性感染症の中で最も頻度が高く、性行為の多様性に伴い、咽頭や直腸など性器外からの感染例も増えています。性感染症による尿道炎は、大きく淋菌と非淋菌性に分けられ、非淋菌性はさらにクラミジア性と非クラミジア性に分けられます。淋菌性とクラミジア性を合わせると尿道炎の約7割を占めており、非クラミジア性ではマイコプラズマなどが原因となります。尿道炎の主な症状は、尿道痛と尿道分泌物です。淋菌性では、潜伏期間が3-7日と短く、急激で強い尿道痛と白い膿が出ます。一方クラミジア性では、潜伏期間が1-3週間と長く、軽い尿道痛と水っぽいあるいは少し糸を引く分泌物が出ます。当院では一般的な尿検査を実施したのちに、尿の核酸増殖法による検査を実施し、適切な抗菌薬治療を行います。